: 2020年11月20日
11/6(金)大津赤十字病院より、認知症看護認定看護師の中田貴子さんをお迎えし、
「みんなでせん妄対応~高齢者・認知症の方の療養生活を支える~」というテーマで講演していただきました。
今回は、認知症の患者様へ使用するお薬についてもお話いただけるとのことで、診療部からも医師が2名参加しました。
認知症は、「一度発達した知的機能*が、脳の器質的障害によって、広い範囲で持続的に
低下した状態」のこと。2025年には約700万人(65歳以上の4人に1人)が認知症になると言われています。
*知的機能:環境に適応し、新しい問題に対処していくなど日常生活を送るために必要な認知機能
(記憶・注意・思考・判断・学習・言語など)
今回は、認知症の症状の1つである「せん妄」について、その原因・対策やコミュニケーションのコツなど、
1時間にわたってお話いただきました。
せん妄は意識障害による急性の精神症状で、高齢者や認知症の方の「苦痛」や「不安」から現れる可能性が
高いとされています。例えば、自宅では何もなかった方が、入院し環境が変わったこと等に対する不安により
せん妄を発症することがあります。
そのような不安を取り除くためのコミュニケーションのコツとして、
・自己紹介する(自分が誰なのか名前を伝える)
・五感を活用する(カーテン・窓を開け、今日の天気を伝える等)
・「おはようございます、朝の6時です」等、具体的な声掛けをする
などが挙げられます。
安心していただき、せん妄を防ぐためには、「自分が今どこにいて、目の前に誰がいて、何をされるのか」
理解できるよう伝えることが大切であることを学びました。
現在ますます高齢化が進んでおり、「認知症」は私たちにとって身近なものになってきています。
認知症について正しい知識をもち、認知症の方が認知症とともにより良い人生を送ることができるよう、
サポートしていくことが大切であると感じました。